台湾出身の小説家・翻訳者として活躍する李琴峰(り・ことみ)さん。2021年に『彼岸花が咲く島』で芥川龍之介賞を受賞し、日本語を第二言語として小説を執筆する作家としても注目を集めてきました。
2026年には、エッセイ集『日本語からの祝福、日本語への祝福』が文学賞を受賞。さらに、新作小説『地の果て、砂の祈り』も刊行され、創作活動の広がりが話題になっています。
この記事では、李琴峰さんのプロフィールや作家デビューまでの経歴、代表作のあらすじ、文学賞の受賞歴、2026年の最新活動について、公式情報をもとに詳しく紹介します。
李琴峰のプロフィール!年齢・出身地・職業は?

まずは、李琴峰さんの基本プロフィールをまとめました。
- 名前: 李琴峰
- 読み方: り・ことみ
- アルファベット表記: Li Kotomi
- 生年: 1989年
- 出身地: 台湾
- 職業: 小説家・翻訳家・通訳者
- 来日: 2013年
- 作家デビュー: 2017年
- 代表作: 『独り舞』『ポラリスが降り注ぐ夜』『彼岸花が咲く島』
- 主な受賞歴: 群像新人文学賞優秀作、芸術選奨文部科学大臣新人賞、芥川龍之介賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞
李琴峰さんは1989年に台湾で生まれ、2013年に来日しました。早稲田大学大学院日本語教育研究科で学び、日本語による小説執筆を続けてきた作家です。
2017年には『独り舞』で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、文学界にデビューしました。
なお、生年月日の詳しい日付は公式プロフィールでは確認できないため、正確な誕生日や満年齢については断定できません。
李琴峰はどんな作家?日本語で小説を書くまでの経歴
2017年に『独り舞』で作家デビュー
李琴峰さんが作家として注目されるきっかけとなったのが、2017年の『独り舞』です。
この作品は、第60回群像新人文学賞の優秀作に選ばれました。特に注目したいのは、李琴峰さんが第二言語である日本語で執筆した小説によって、作家デビューを果たしたことです。
外国語として学んだ言語を使って文学作品を生み出すことは、語彙や文法の習得だけでなく、文化的な背景や表現の感覚を深く理解することも求められます。
李琴峰さんの活動は、日本語で創作することの可能性を示すものとしても注目されています。
2019年には芥川賞候補に
2019年には、小説『五つ数えれば三日月が』が第161回芥川龍之介賞と第41回野間文芸新人賞の候補になりました。
デビューから数年で主要な文学賞の候補となったことは、作家としての評価を高める転機の一つといえます。
その後も作品を発表し続け、2021年には二つの重要な受賞を経験しました。
2021年に『ポラリスが降り注ぐ夜』と『彼岸花が咲く島』で評価
2021年、李琴峰さんは『ポラリスが降り注ぐ夜』で第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞しました。
さらに、同年に発表された『彼岸花が咲く島』では、第165回芥川龍之介賞を受賞しています。
芥川賞は、新進作家による優れた純文学作品を対象とする文学賞です。この受賞によって、李琴峰さんは日本の現代文学を代表する作家の一人として、広く知られるようになりました。
李琴峰の代表作3選!どんな小説を書いている?
李琴峰さんの作品を知るうえで、まず押さえておきたい代表作を紹介します。
1. 『独り舞』
2017年に群像新人文学賞優秀作を受賞したデビュー作です。
李琴峰さんが第二言語である日本語で執筆した小説として知られ、作家としての出発点となりました。
李琴峰さんの作品世界に触れてみたい人や、デビュー当時からの創作の歩みを知りたい人におすすめの一冊です。
2. 『ポラリスが降り注ぐ夜』
2021年に芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した作品です。
李琴峰さんの小説では、人間関係や社会の中での生き方、個人のアイデンティティーなどが重要なテーマとして描かれています。
この作品も、作家としての評価を高めた重要な一冊です。
3. 『彼岸花が咲く島』
2021年に第165回芥川龍之介賞を受賞した作品です。
独自の言語や歴史、文化を持つ島を舞台に、異なる価値観や社会のあり方を描いています。
作品の特徴は、現実の社会にある問題をそのまま説明するのではなく、架空の世界を通じて読者に考えるきっかけを与える点です。
言語、文化、ジェンダーなどのテーマに関心がある人にとって、李琴峰さんの作風を知るうえで重要な作品といえるでしょう。
李琴峰は翻訳者としても活躍!台湾文学とのつながり
李琴峰さんは小説家としてだけでなく、翻訳家や通訳者としても活動しています。
日本語と中国語の二言語を扱う立場から、言語や文化の違いをつなぐ仕事にも携わってきました。
翻訳の仕事では、単語を別の言語に置き換えるだけでは十分ではありません。作品の背景にある文化や、登場人物の感情、文章のリズムなどを理解したうえで、別の言語で表現する必要があります。
こうした経験は、李琴峰さん自身の小説を読むうえでも興味深いポイントです。
日本語で書かれた作品でありながら、複数の言語や文化を行き来する視点が感じられることは、李琴峰さんの文学的な特徴の一つといえます。
翻訳作品や刊行情報については、公式サイトの著書・訳書一覧で確認できます。
李琴峰の2026年最新情報!新刊と文学賞受賞に注目
2026年は、李琴峰さんの活動を知るうえで注目したい出来事が続いています。
『日本語からの祝福、日本語への祝福』が文学賞を受賞
2026年4月、李琴峰さんのエッセイ集『日本語からの祝福、日本語への祝福』が、第15回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞しました。
本書では、日本語と向き合ってきた経験や、日本語を通じて見えてくる文化や社会について考察しています。
小説とは異なる形で、李琴峰さん自身の言葉や思考に触れられる作品です。
日本語を学んだ経験がある人や、言語と文化の関係に興味がある人にとっても、関心を持ちやすい一冊でしょう。
紀行エッセイ『虹はいまだ旅の途上』
2026年には、紀行エッセイ『虹はいまだ旅の途上』も刊行されました。
バンクーバー、ソウル、チューリッヒ、アムステルダム、パリという五つの都市を訪れた2024年の記録をもとに、さまざまな場所で暮らす人々の声や文化を見つめた作品です。
小説だけではなく、旅や社会についての考察を通じて作家の視点を知ることができる点も、李琴峰さんの活動の魅力です。
新作小説『地の果て、砂の祈り』が刊行
2026年8月26日には、集英社から『地の果て、砂の祈り』が刊行されました。
本書には、表題作「地の果て、砂の祈り」と「東京奇俠伝」の二つの中編小説が収録されています。
表題作では、台湾出身で日本に暮らす思云(しうん)が、別れた恋人とエジプトを訪れる物語が描かれます。一方、「東京奇俠伝」では、かつて親しかった人々の関係や再会が物語の軸となります。
二つの作品に共通するのは、アイデンティティーをめぐる思索や、恋愛と友情の多様な形を描いていることです。
芥川賞受賞後も創作を続け、現代社会における人間関係や個人のあり方を問い続けていることがうかがえます。
李琴峰の作品が注目される理由とは?
李琴峰さんの作品が注目される理由として、言語や文化の境界を意識した創作姿勢が挙げられます。
台湾で生まれ、日本で暮らし、日本語で小説を執筆するという経験は、複数の文化や価値観を見つめる視点につながっています。
作品では、個人の生き方や人間関係を描くだけでなく、社会の中で当たり前とされている考え方についても問いを投げかけます。
また、小説に加えてエッセイや紀行文、翻訳など、活動の幅が広い点も特徴です。物語を通じてテーマを表現するだけでなく、エッセイでは自らの経験や考察を文章にしています。
こうした多面的な活動によって、李琴峰さんは日本語文学と台湾文学、さらに異なる文化圏をつなぐ存在としても注目されています。
まとめ|李琴峰は芥川賞受賞後も幅広く活動する小説家・翻訳者
李琴峰さんは、台湾出身の小説家・翻訳者として、日本語と中国語の二言語を軸に活動してきました。
2017年に『独り舞』で作家デビューを果たし、2021年には『彼岸花が咲く島』で芥川龍之介賞を受賞。『ポラリスが降り注ぐ夜』などの作品でも評価されています。
さらに2026年には、『日本語からの祝福、日本語への祝福』が梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞し、『虹はいまだ旅の途上』や『地の果て、砂の祈り』などの新刊も刊行されました。
言語、文化、アイデンティティー、人間関係といったテーマをさまざまな形式で描き続ける李琴峰さん。代表作から最新刊まで読み進めることで、その文学的な関心や表現の広がりをより深く知ることができそうです。
きる公開情報をもとに作成しています。