大阪仏壇の伝統を支える彫刻師・辻田一雄さん
日本の伝統工芸には、何百年もの歴史を受け継ぎながら今なお第一線で活躍する職人がいます。
その一人が、大阪仏壇の彫刻師として知られる辻田一雄(つじた かずお)さんです。
大阪仏壇は、経済産業大臣指定の伝統的工芸品として知られ、繊細で立体感あふれる木彫刻が特徴です。
その高度な技術を現代へ受け継ぎ、国内外へ発信している職人として高い評価を受けています。
辻田一雄さんのプロフィール

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 辻田 一雄(つじた かずお) |
| 職業 | 大阪仏壇彫刻師・伝統工芸士 |
| 所属 | 光明堂辻田佛檀店 |
| 出身 | 大阪府(公開情報より) |
| 専門 | 仏壇彫刻・寺院彫刻・伝統木彫 |
| 主な受賞 | 伝統工芸士作品展最高賞、経済産業局長賞、経済産業大臣賞など |
※生年月日や年齢については公開されていません。
辻田一雄が家業を継ぐまでの道のり
辻田さんは大阪仏壇の彫刻職人の家に生まれました。
しかし、卒業後すぐに家業へ入ったわけではありません。
いったん会社員として働いた後、25歳で家業へ戻り、本格的に彫刻の世界へ飛び込みます。
修業時代は父親から厳しい指導を受け、ときには作品づくりを巡って意見がぶつかることも少なくなかったそうです。
その経験を積み重ねながら独自の技術を磨き、現在では大阪仏壇彫刻を代表する伝統工芸士として活躍しています。
大阪仏壇彫刻の魅力とは
大阪仏壇最大の特徴は、彫刻の細かさにあります。
龍や松、雲、花鳥風月などを木材へ立体的に彫り込む技術は、まさに職人技です。
作品には数十種類もの彫刻刀を使い分け、一つひとつの線や陰影まで計算され尽くしています。
辻田さん自身も約30本もの彫刻刀を用途別に使い分け、柄まで自ら加工するほど道具へのこだわりを持っています。
こうした細部への徹底した姿勢が、多くの受賞歴につながっています。
辻田一雄の数々の受賞歴が示す高い技術力
辻田さんは伝統工芸士として数々の賞を受賞しています。
代表的なものは、
- 第16回伝統工芸士作品展 最高賞
- 経済産業省近畿経済産業局長賞
- 経済産業大臣賞(令和4年)
などがあります。
これらはいずれも全国レベルで高く評価された実績であり、日本を代表する木彫刻職人の一人であることを物語っています。
2025年大阪・関西万博でも実演
2025年には大阪・関西万博で開催された伝統工芸イベント「饗宴!匠が演じる日本美の世界」に出演。
来場者の前で大阪仏壇彫刻の実演を行い、日本の伝統技術の魅力を国内外へ発信しました。
万博という世界的な舞台で実演を任されたことからも、その技術への信頼の高さがうかがえます。
後継者育成にも尽力
辻田さんは技術だけでなく、伝統文化を未来へつなぐことも大切にしています。
「彫刻刀を研ぐだけでも約1年。基本技術を身につけるまで約10年。」
この言葉からも、伝統工芸の世界が一朝一夕で身につくものではないことが伝わります。
それでも若い世代へ技術を伝え、日本の文化を残していくことを使命として活動を続けています。
辻田一雄の人柄が伝わるエピソード
インタビューでは、
「周りのおかげでここまで来られました。」
と語っており、家族や仏壇店、関係者への感謝を何より大切にしている姿勢が印象的です。
卓越した技術だけでなく、謙虚な人柄も多くの人から信頼される理由なのでしょう。