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2019年末、楽器ケースに身を隠して日本を脱出──そのあまりにも劇的な逃亡劇で世界を驚かせたカルロス・ゴーン元日産会長が、

2026年6月、ふたたびニュースの中心に躍り出ました。

一部株主が株主総会でゴーン氏の取締役就任を提案し、ゴーン氏本人もロイター通信のインタビューで「CEO復帰」に意欲を示したのです。

逃亡から約6年半、彼は今どこで何をしているのでしょうか。そして、日産への復帰は現実的なのでしょうか。

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【結論】ゴーン氏は現在もレバノン在住でビジネス・教育活動を継続中。日産CEO復帰の現実的な可能性は限りなくゼロに近い

2026年6月現在、カルロス・ゴーン氏(71歳)はレバノンの首都ベイルートに在住しています。

インターポール(国際刑事警察機構)から「赤色手配(国際逮捕手配)」が出ているため、レバノンを一歩でも出ると即座に逮捕されるリスクがあります。

フランスやブラジルの国籍も持っていますが、実質的にレバノン国内に限定された生活を送っています。

仕事としては地元の大学(カスリック聖霊大学)でビジネス講座の監修をしたり、自身のワイン・ビジネスに投資したりと、実業家としての活動を続けています。

本人は依然として「自分は無実だ」との立場を崩しておらず、無罪を主張し、自らを「陰謀の被害者」であるとの立場を取っています。

日産CEO復帰については、2026年6月23日に開催された日産の年次株主総会では、少なくとも1人の投資家からゴーン氏を復帰させるよう求める提案がなされましたが、株主が取締役会を圧倒的多数で支持したため、この試みは失敗に終わりました。

法的・現実的な障壁は非常に高く、現時点での復帰は事実上不可能な状況です。


▶ カルロス・ゴーン プロフィール

本名カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)
生年1954年3月9日(71歳)
出身ブラジル生まれ、レバノン系
国籍レバノン・フランス・ブラジルの三国籍
主な経歴日産自動車 CEO・会長、ルノー CEO、三菱自動車 会長
逮捕2018年11月、金融商品取引法違反容疑で東京地検特捜部が逮捕
逃亡2019年12月、関西国際空港からレバノンへ逃亡
現在地レバノン・ベイルート(インターポール赤色手配中)
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ゴーン氏が現在取り組んでいる3つの活動

ゴーン氏はレバノンの大学で経営幹部向けのリーダーシッププログラムを運営しています。

記者が取材に訪れた際、大学の同僚は「ゴーン氏は常に時間を守るため、30分前に到着しなければならない」と強調。青いスーツにシャツとセーターという姿で、かつての企業トップのスタイルを今も貫いています。

・大学での教育活動

カスリック聖霊大学でビジネス講座を監修。経営幹部向けリーダーシッププログラムを運営し、教育者としての顔を持つ。

・ワイン事業への投資

レバノン国内のワインビジネスに投資。実業家としての活動を継続しており、スタートアップ支援なども行っているとされる。

・メディア活動・無罪主張

2024年末・2025年・2026年と継続的にインタビューに応じ、「日本の陰謀の被害者だ」として無罪を主張し続けている。

住まいの問題については、ゴーン氏が住んでいるベイルートの邸宅(日産の子会社が所有しているとされる物件)について、現地の裁判所から「立ち退き命令」が出たことがありました。

日産側は「不法占拠だ」と主張しており、ゴーン氏は「住む権利がある」として争いを続けています。

2026年時点でもその邸宅、あるいはベイルート内の近隣施設に留まっているとみられます。

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「それができる人物は私だ」──6月25日のロイター発言を読み解く

2026年6月23日の日産株主総会で、イヴァン・エスピノーサCEOが株主の怒りに直面しました。

総会翌日の6月24日、ゴーン氏はベイルートでロイター通信の取材に応じ、衝撃的な発言を連発しました。

ゴーン氏の主な発言(2026年6月24日・ロイターインタビュー)

「株主たちの怒りといら立ちがひしひしと伝わってくる」「会社を救うことができる唯一の役職はCEOだ」「真の意思決定者でなければならない。日産は非常事態にあり、厳しい決断を下さなければならない」「今日それを実現できる人物、あるいは適任者が1人いるとすれば、それは私だ」「これは傲慢だから言っているのではない。事実に基づいて言っているのだ。私は既に1度それを成し遂げた。この会社をあらゆる角度から熟知している」と述べました。

ゴーン氏は、2018年以降の日産株価の80%下落、年間販売台数が500万台超から約300万台への減少、そして同社の財務状況の悪化を指摘し、「事実を見てほしい。その状況は悲惨だ」と述べました。

また、もしも日産が経営方針を転換しなければ、より大きな企業、最も可能性が高いのは中国企業の小さな子会社になってしまうリスクがあると警告しました。

これに対し、日産はゴーン氏の発言に関するロイターの質問に対し、「憶測に基づく発言」についてはコメントしないと述べました。

同社は、事業再生計画が着実に進展しており、前会計年度には営業利益を計上し、引き続き強固な流動性を維持していると説明しました。

混乱する日産の現状──株主総会は「動議の嵐」に

2026年3月期業績は純損失が5331億円の赤字(2025年3月期は6709億円の赤字)で無配を継続しており、株価は長期低迷しています。

2期連続の巨額赤字という深刻な状況が、ゴーン氏復帰論を再燃させた背景にあります。

2026年6月23日の株主総会は、イヴァン・エスピノーサCEOの議長挨拶の冒頭から議長不信任の動議が提出されるなど、2時間半もの長丁場で再三、取締役不信任の動議がかけられるという異例の事態となりました。

会社側はイバン・エスピノーサ社長ら取締役12人の選任議案を提出しましたが、みずほフィナンシャルグループ出身の社外取締役・永井素夫氏の再任案が反対多数で否決されました。

大企業が提案した取締役選任議案が否決されるのは珍しく、日産は役員体制の見直しを迫られる見通しです。

📊 日産の業績推移(直近2期)

2025年3月期:純損失 6,709億円 無配
2026年3月期:純損失 5,331億円 無配継続
株価:2018年比で約80%下落(ゴーン氏指摘)

なぜ復帰は不可能に近いのか──4つの壁

⛔ ゴーン氏の日産CEO復帰を阻む現実的な障壁

  • ①インターポール赤色手配:現在もインターポールによる国際逮捕手配が有効であり、日本はもちろん協力国への入国は即逮捕につながります。日産本社がある日本への渡航は物理的に不可能です。
  • ②フランスでの刑事手続き:フランスの検察(金融検察局)はゴーン氏に対して「汚職」「会社資産の流用」「資金洗浄」などの疑いで複数の国際逮捕状を出しています。2026年9月にはパリの裁判所で刑事裁判が開かれる予定となっています。
  • ③株主総会での否決:一部株主がゴーン氏の取締役就任を提案しましたが、株主が取締役会を圧倒的多数で支持したため、提案は否決されました。
  • ④日本の司法手続き未了:日本での刑事事件は被告人不在のまま宙に浮いており、仮にゴーン氏が日本に戻れば直ちに身柄を拘束されます。裁判を経ずにCEO就任は法的に成立しません。

逃亡劇から現在まで──主な出来事の振り返り

・2018

逮捕・解任

11月、金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部が逮捕。日産・三菱自動車の会長職を解任される。

・2019

レバノンへ逃亡

12月末、関西国際空港から音響機材用の箱に隠れてプライベートジェットでレバノンへ脱出。世界に衝撃を与える。

・2023

レバノンで立ち退き命令

レバノンの裁判所が、ゴーン氏とその妻に対してベイルートの邸宅から1か月以内の退去を命じる判決を下しました。ゴーン氏は争いを継続。

・2025

フランスで起訴

2025年7月22日、フランスの予審判事が汚職などの罪でゴーン氏を起訴しました。フランスのラシダ・ダティ文化相への多額の弁護士報酬(約90万ユーロ)への関与が焦点となっています。

・20266月

日産株主総会でゴーン復帰論が浮上

日産の株主総会で一部株主がゴーン氏の取締役就任を提案。ゴーン氏本人もロイターにCEO復帰意欲を表明するも、株主総会では圧倒的多数で否決される。


📝 この記事のまとめ

  • ゴーン氏は現在もレバノンに在住。インターポール赤色手配により事実上の「黄金の檻」状態が続いている。
  • 現在の仕事は大学でのビジネス講座監修・ワイン事業への投資・メディアへの積極的な発信の3本柱。
  • 2026年6月、日産株主総会で一部株主が復帰を提案。ゴーン氏もロイターに「それができる人物は私だ」とCEO意欲を表明した。
  • しかし復帰は現実的ではない。インターポール手配・日仏での法的問題・株主総会での否決と、超えるべき壁が複数重なっている。
  • フランスでは2026年9月に刑事裁判の開廷が予定されており、法的リスクはむしろ高まっている状況だ。

#カルロスゴーン#日産自動車#CEO復帰#レバノン逃亡#株主総会2026#インターポール#ゴーン現在#日産経営危機

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