結論:メジャーリーグのABSチャレンジは、1試合につき各チーム2回までです。
ただし、チャレンジに成功した場合は回数が消費されず、延長戦では新たな権利が付与される特別ルールがあります。
2026年シーズンからMLBで本格導入されたABS(Automated Ball-Strike)チャレンジシステム。
この新ルールは、ロボット審判による完全自動判定ではなく、人間の審判がコールしたボール・ストライクに対して選手が異議を申し立てられる「チャレンジ方式」を採用しています。
ここでは、その回数制限とルールの詳細をわかりやすく解説します。
基本ルール:2回のチャレンジ権
各チームは試合開始時に2回のチャレンジ権を持っています。
この権利は、1回目から9回裏まで、試合のどの場面でも使用可能です。
重要なのは、チャレンジに成功した場合、権利は消費されずに保持されるという点です。
一方、失敗した場合は1回分の権利を失います。
つまり、理論上はすべてのチャレンジに成功し続ければ、無制限に挑戦できる仕組みです。
延長戦の特別ルール
9回までにチャレンジ権を使い切ってしまった場合でも、
延長戦に入ると各イニング開始時に1回の権利が新たに付与されます。
ただし、この権利は持ち越しや蓄積はできず、
そのイニング内で使用しなければ消滅します。
チャレンジを宣言できるのは誰?
チャレンジを要求できるのは、打者、投手、捕手の3名のみです。
監督やコーチ、ベンチからの指示は一切禁止されており、
選手自身の判断で行わなければなりません。
要求の方法は、判定直後にヘルメットや帽子を叩く(タップする)動作で行います。
この動作は判定から約2秒以内に行う必要があり、
ベンチの映像アナリストからの指示を待つ余裕はありません。
チャレンジできないケース
以下の場合はABSチャレンジを行うことができません。
・野手がマウンドに上がっている場合(大差がついた場面など)
・チャレンジ権が残っていない場合
ビデオ判定との併用ルール
同じプレー内でABSチャレンジと通常のビデオ判定(リプレイ)が同時に発生する可能性があります。
その場合は、まずABSの判定を行い、その後にベース上の判定などをレビューする手順となります。
なぜ2回という制限なのか?
MLBがフルABS(全投球を機械判定)ではなく、1試合2回のチャレンジ方式を採用した理由は、試合のテンポと人間味を守るためです。
テスト段階では、完全なロボット判定により四球が激増し、試合時間が長引くという問題が発生しました。
また、捕手のピッチフレーミングという伝統的な技術が失われることへの現場の反発もありました。
この2回という厳しい制限により、「人間の審判が裁くからこそ生まれる試合のテンポや高度な捕手の技術」を守りつつ、「勝敗を左右する決定的な誤審だけは防ぐ」というバランスが実現されています。