首相官邸の安全保障担当者が「日本は核を持つべきだ」と発言し、波紋を呼んでいます。
この発言は、厳しい安全保障環境を背景にした個人的見解として示されましたが、
政府の非核三原則との整合性が問われています。
核兵器保有の必要性についての考え方と、その影響を探ります。
「日本は核保有すべき」と発言した官邸関係者とは誰？
発言した官邸関係者は、首相官邸で安全保障政策を担当する幹部であり、具体的な名前は明らかにされていません。
この官邸関係者は、2025年12月18日に非公式の場で「日本は核を持つべきだ」と述べました。
この発言は、個人的な見解として示されたものであり、日本の安全保障環境が厳しさを増す中で、核兵器の保有が必要だとの考えを表明したものです。
この発言は、政府の非核三原則と矛盾するものであり、与野党からの批判や辞任を求める声が上がっています。
日本の安全保障環境が厳しさを増していることとは？
日本の安全保障環境が厳しさを増している理由は、主に以下の要因によります。
・地域の軍事的緊張
日本を取り巻くアジア太平洋地域では、北朝鮮の核・ミサイル開発や、中国の軍事力の増強が続いています。特に北朝鮮は、頻繁にミサイルを発射し、挑発行為を行っており、これが日本の安全保障に対する脅威となっています。
・国際的なパワーバランスの変化
世界的に見ても、パワーバランスが急激に変化しており、特にロシアのウクライナ侵攻は国際秩序に大きな影響を与えています。このような状況下で、日本は自国の防衛力を強化する必要性を感じています。
・新たな脅威の出現
サイバー攻撃やテロリズムなど、国境を越える新たな脅威も増加しています。これにより、従来の軍事的な防衛だけでは不十分であるとの認識が広がっています。
・国際協力の不足: アジア太平洋地域においては、核兵器国を含む大規模な軍事力を持つ国家が集中している一方で、地域協力の枠組みが十分に整備されていないため、単独での防衛が難しい状況です。
これらの要因が重なり合い、日本の安全保障環境は「戦後最も厳しく複雑な状況」にあるとされています。このため、政府は防衛政策の見直しや強化を進めており、核兵器の保有についても議論が高まっています。
今さら聞けない非核三原則とは？
非核三原則（ひかくさんげんそく）とは、日本の核兵器政策の基本方針であり、
以下の三つの原則から成り立っています。
・持たず: 核兵器を保有しないこと。
・作らず: 核兵器を製造しないこと。
・持ち込ませず: 核兵器を日本国内に持ち込ませないこと。
この原則は、1967年に当時の首相佐藤栄作によって国会で表明され、1971年には沖縄返還に関連して国会決議として正式に採択されました。
以降、歴代の政権はこの原則を堅持する方針を継承してきました。
非核三原則は、日本が唯一の戦争被爆国として、核兵器の悲惨さを知る立場から、核兵器のない世界を目指す重要な政策とされています。
特に、冷戦後の安全保障環境の変化に伴い、周辺国の核の脅威に対処するための基盤としても機能しています。
現在、非核三原則に対する見直しの議論が行われており、特に安全保障環境の厳しさが増す中で、これらの原則がどのように維持されるべきかが焦点となっています。
