2026年2月21日夜、岡山市東区の西大寺観音院で行われた「西大寺会陽」(通称:裸祭り)で、参加者6人が負傷し、うち3人が意識不明の重体となる事故が発生しました。
この祭りは500年以上の歴史を持つ国の重要無形民俗文化財であり、毎年多くの参加者と観客を集める一大イベントです。
しかし、今回の事故を受けて、安全性の確保が改めて問われています。本記事では、事故の詳細、安全性が確保されない理由、そして過去の事故事例について掘り下げます。
事故の詳細と現場の状況
2026年2月21日夜、西大寺観音院で行われた「西大寺会陽」では、約1万人の参加者が集まり、福を授かるとされる「宝木(しんぎ)」を奪い合いました。
この激しい争奪戦の中で、男性6人が負傷し、うち3人が意識不明の状態で病院に搬送されました。
残りの3人は会話が可能な状態でしたが、いずれも祭りの途中で負傷したとみられています。
宝木が投下されると、参加者たちは一斉に体をぶつけ合いながら奪い合いを開始します。
この激しい接触が事故の原因となることが多く、今回も同様の状況で負傷者が発生したと考えられています。
安全性が確保されない理由
「裸祭り」の安全性が確保されない背景には、以下のような要因が挙げられます:
・参加者の密集と激しい接触
約1万人もの参加者が狭い空間に密集し、宝木を奪い合うため、転倒や圧迫による事故が発生しやすい状況です。
・伝統と現代の安全基準のギャップ
室町時代から続く伝統行事であり、現代の安全基準を完全に取り入れることが難しい面があります。例えば、参加者の装備や会場の構造が現代の安全対策に適していない場合があります。
・観客の増加と混乱
観光目的で訪れる観客が増加しており、会場の混雑がさらなるリスクを生んでいます。SNSの普及により、祭りの注目度が高まる一方で、運営側の安全管理が追いついていない可能性があります。
過去の事故事例
「裸祭り」では過去にも重大な事故が発生しており、今回の事故が初めてではありません。
・2007年:死亡事故
2007年の祭りでは、参加者が裸群の下敷きとなり、死亡する事故が発生しました。この事故を受けて、一部では安全対策の強化が求められましたが、根本的な改善には至っていないようです。
・その他の裸祭りでの事故
他地域の裸祭りでも、参加者が死亡する事故や重傷を負うケースが報告されています。
例えば、愛知県の「国府宮はだか祭」では、2003年に参加者が死亡する事故が発生しています。
今後の課題と対策
今回の事故を受けて、以下のような対策が求められます:
・参加者数の制限
密集を避けるため、参加者数を制限することが必要です。
・安全装備の導入
転倒や衝突による怪我を防ぐため、ヘルメットやプロテクターの着用を義務化することが検討されるべきです。
・運営体制の見直し
医療スタッフの増員や緊急時の対応マニュアルの整備など、運営体制の強化が求められます。