2025年12月6日、中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、
沖縄本島南東の公海上空で航空自衛隊のF-15戦闘機に対し、2回にわたりレーダー照射を行いました
戦闘機にレーダー照射とは何?レーダー照射されるとどうなるのかを調べました。
戦闘機にレーダー照射とは何?中学生でもわかるレーダー照射されるとどうなる?
戦闘機が他の航空機に「レーダー照射」をするというのは、まるでその飛行機に「銃口を向ける」のと同じくらい危険な行為を指します。
具体的には、次のようなことを意味します。
・何をするの?
戦闘機には、周りのものを見つけたり、相手の飛行機の場所や動きを詳しく知ったりするための「レーダー」という特別な目のようなものがついています。
このレーダーを、狙っている相手の飛行機にずーっと向けて、ピッタリと追跡(ロックオン)する行為がレーダー照射です。
・なぜ危険なの?
特に危険なのは、「火器管制レーダー」という、ミサイルなどの武器を発射するために使うレーダーを相手に当てる場合です。
これは、「いつでもミサイルを撃てる準備ができていますよ」という強い警告になります。
普通のレーダーで周りを探すのとは違い、相手を攻撃するための準備をしているサインなので、国際的には「模擬攻撃(もぎこうげき)」、つまり「撃つふり」と見なされる、とても危険な行動なのです。
・最近の例 2025年12月6日には、中国の戦闘機が日本の自衛隊の戦闘機に対し、沖縄本島の南東の空で実際にこのレーダー照射をしました。
このような、飛行機から飛行機へのレーダー照射が公にされたのは初めてのことでした。日本政府はこれを「極めて遺憾」で「危険な行為」だと強く中国に抗議しました。
たとえ実際にミサイルが発射されなくても、レーダー照射は「もしこのまま近づけば攻撃するぞ」という強い警告であり、大きなケンカにつながりかねない、とても緊張する行動なのです。
戦闘機にレーダー照射された場合のパイロットはどうする?
戦闘機にレーダー照射された場合、パイロットは非常に緊張した状況に置かれます。
レーダー照射は、ミサイル発射の準備を意味し、常に攻撃の脅威がある状態です。
以下は、パイロットが取るべき一般的な対応です。
・警戒を強化する
レーダー照射を受けた際、パイロットは即座に状況を把握し、敵の意図を分析します。
これには、敵機の位置や動きの確認が含まれます。
・回避行動を取る
パイロットは、敵機からの攻撃を回避するために、機体の姿勢を変えたり、急速に高度を変えたりすることが求められます。これにより、敵の攻撃をかわす可能性が高まります。
・防御システムを活用する
現代の戦闘機には、レーダー警報受信機(RWR)やミサイル警報システムが搭載されており、これらのシステムが敵のロックオンを警告します。
パイロットはこれらの情報を基に、適切な防御行動を取ります。
・通信を行う
パイロットは、指揮官や他の部隊と連絡を取り、状況を報告し、必要な支援を求めることが重要です。
このように、レーダー照射を受けた場合のパイロットの行動は、迅速かつ冷静な判断が求められます。国際法上も、火器管制レーダーの照射は明確な威嚇行為とされており、適切な対応が必要です。
レーダー照射が日中間の緊張に与える影響
レーダー照射が日中間の緊張に与える影響は非常に大きいです。
2025年12月6日に発生した中国軍機による日本の航空自衛隊機へのレーダー照射事件は、
以下のような影響を及ぼしています。
・軍事的緊張の高まり
レーダー照射は、ミサイル発射の準備を示す行為であり、相手国に対する明確な威嚇と見なされます。このような行為は、軍事的緊張を一層高め、両国間の信頼関係を損なう要因となります。
・外交的対立の激化
日本政府はこの事件を受けて、中国に対して強く抗議し、再発防止を求めました。このような外交的な反応は、両国の関係をさらに悪化させる可能性があります。
特に、最近の日本の政治的発言や中国の反応が相まって、緊張が一層高まる状況です。
・国際法の観点からの問題
レーダー照射は国際法上も問題視される行為であり、特に公海上での軍用機の行動には一定のルールがあります。
これに違反する行為は、国際的な非難を招く可能性があり、両国の国際的な立場にも影響を及ぼします。
・地域の安全保障環境への影響
日中間の緊張が高まることで、周辺国や地域全体の安全保障環境にも影響が及ぶ可能性があります。特に、台湾問題や南シナ海の動向と絡む形で、地域の安定が脅かされる恐れがあります。
このように、レーダー照射は単なる軍事的行為にとどまらず、日中間の広範な関係に深刻な影響を及ぼす要因となっています。