
ツバメの繁殖期は主に4月から7月にかけて行われます。
この期間中、ツバメは巣を作り、卵を産み、ヒナを育てます。
実はツバメの巣の無断撤去は法律違反だということはご存知でしょうか?
ツバメの巣を無断撤去した場合の罰則についてお伝えします。
ツバメの巣を無断撤去した場合の罰則は?
ツバメの巣を無断で撤去した場合、法律により厳しい罰則が科せられる可能性があります。
具体的には、日本の「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(通称:鳥獣保護法)に基づき、卵やヒナがいる巣を撤去することは違法とされています。
この法律に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることがあります。
撤去の条件
・卵やヒナがいない場合
ツバメの巣を撤去することは可能ですが、卵やヒナがいる状態での撤去は法律違反となります。
したがって、巣を撤去する際は、必ず卵やヒナが巣立った後に行う必要があります。
・自治体の指導
各自治体によっては、巣の撤去に関する具体的なガイドラインが設けられている場合があります。
例えば、巣の中に卵やヒナがいない場合は撤去しても問題ないとする自治体もありますが、必ず事前に確認することが重要です。
注意点
無断で撤去を行うと、法律に基づく罰則が適用されるだけでなく、地域の自然環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。
ツバメは生態系において重要な役割を果たしているため、適切な対応が求められます。
もし巣の撤去を考えている場合は、まずは専門機関や自治体に相談することをお勧めします。
巣の中に卵やヒナがいてもやむを得ず撤去する場合はどうする?
ツバメの巣の中に卵やヒナがいる場合でも、やむを得ず撤去しなければならない状況があるかもしれません。
その際には、以下の手順を踏むことが重要です。
1・許可を取得する
卵やヒナがいる巣を撤去するには、まず「捕獲等の許可」を得る必要があります。
許可の申請先は、鳥の種類によって異なります。スズメやヒヨドリなどの一般的な鳥は市町村に申請しますが、その他の鳥類は都道府県知事または環境大臣の許可が必要です。
お住まいの自治体の環境課に相談して、必要な手続きを確認しましょう。
2・撤去の準備
撤去作業には、手袋、マスク、メガネ、殺虫剤、消毒液、新聞紙、ゴミ袋、古布などが必要です。
また、高い位置に巣がある場合は、ハシゴや脚立も用意します。
3・撤去作業の実施
撤去作業を行う際は、ダニや病原菌に注意し、適切な防護具を着用します。
巣を静かに取り外し、周囲に飛び散らないように注意しながら作業を進めます。
撤去した巣はすぐにゴミ袋に入れ、適切に処分します。
4・ヒナの保護
もしヒナが巣から落ちている場合は、怪我をしていないか確認し、親鳥が近くにいる場合は人間が近づかないようにして、自然に任せることが重要です。
ヒナを巣に戻す際は、ビニール手袋を使用し、慎重に行ってください。
これらの手順を守ることで、法律に違反することなく、必要な場合に巣を撤去することができます。
必ず事前に許可を取得し、適切な方法で行動することが大切です。
撤去のための特別な事情とは?
卵やヒナがいる巣を撤去しなければならない特別な事情には、以下のようなケースがあります。
1・火災や漏電の危険
巣が電線に接触している場合、火災や漏電のリスクがあるため、撤去が認められることがあります。
この場合、自治体の許可を得る必要があります。
2・健康被害の恐れ
鳥のフンによって健康被害が懸念される場合も、撤去が許可されることがあります。
特に、フンが多く落ちている場所や、衛生上の問題が発生している場合には、適切な手続きを経て撤去が可能です。
3・工事の支障
建物の改修や工事が行われる際に、巣が工事の進行を妨げる場合も特別な事情として考慮されることがあります。
ただし、この場合も、卵やヒナがいる状態での撤去は法律で禁止されているため、工事を延期するなどの配慮が必要です。
これらの特別な事情がある場合でも、必ず自治体の許可を得ることが求められます。
無断で撤去を行うと、法律違反となり、罰則が科せられる可能性がありますので、注意が必要です。